国登録有形文化財 「旧石原家住宅」(通称:石原邸)

「石原邸会議室」 はじまります!

旧石原家住宅は、2019年4月より「石原邸会議室」としてもお貸しすることになりました。

「石原邸会議室」専用サイトを開設しました。

旧石原家住宅の創建当時、当主が志士達を援助していたと伝わっています。

その緊張感を伺わせる作りなども残っていたり、竃やいろりもあり、調度品や道具も江戸時代の雰囲気にしっくりとあうものを使うようにしており、当時の暮らしを体感することができます。

 

平成という一つの時代が終わりを迎えんとする今こそ、新しい時代を創り、担っていく人びとのための特別な会議室としてご利用いただけるよう、準備を進めて参ります。

 

 

2018年建物特別公開、無事終えることができました。

登録有形文化財特別公開(愛知登文会主催)2018年参加の催しは、

2018年11月17日(土)〜20日(火)に無事開催することができました。

→ この企画の模様を写真等にてにてご覧いただけます。こちらにてどうぞ!

 

160歳を前にして、なお、健在なる家。

「旧石原家住宅」(通称 石原邸)は、幕末期の安政6年(1859年)、当時の当主である石原東十郎によって建てられました。当時はこの辺りの庄屋であり、金融業も営む、薪や炭、米穀を扱う商家でした。京都の公家衆との親交があり、東十郎は商人でありながらも、蔵人という武士の位を頂き、尊王派と親交を持ち、志士達を援助したりかくまったこともあったと言われています。また、商家でしたが、家の作りには農家の方式が採用されているのが珍しいとされています。

東十郎の後、石原家には代々女子しか生まれず、跡継ぎの男の子は養子をもらっていました。東十郎のあと、宗一郎、耕七郎と続き、昭和の時代には、耕七郎の娘の一人である長女の石原愛子が近隣の学校の音楽教師も務めながらこの家でピアノを教えて生計を立てました。庄屋の名残と思われる借家も何軒か営んでいました。生涯独身を通した愛子亡き後、昭和50年頃から、嫁いだ姪の安子と夫の吉村正がこの家を継承し、昭和風に改装されていたこの家を創建当時の状態に復元。その際に発見された石原家の料理のレシピ本から江戸時代のハレの日の料理を復元し、それを供する古料理店を営みました。古料理店の閉店後は茶会や催しに使われ、一時は民芸店やカフェであったこともありました。

安子亡き後、夫の正と娘の織絵が継承し、心ある人びとの尽力により、平成23年(2011年)、文化庁により主屋、土蔵、庭門が国登録有形文化財に登録。平成25年(2013年)には、岡崎市の景観重要建造物にも指定されました。平成26年(2014年)、主屋の瓦屋根を160年振りに葺替え、みなさまのご協力により、徐々に修復を進めています。

 

近年の修復の歩み。

昭和55年頃、昭和風に改築されていた部分を取り外し、創建当時のような姿に復元しました。

平成27年〜28年にかけて、主屋と庭門を修復しました。

平成28年〜29年にかけては、土蔵外壁の修復、屋根の葺き替えを行いました。

平成28年頃から、主屋屋根葺き替えで出た土と瓦を活用し、門前に瓦土塀を設え、整えました。

平成30年11月より土間の修復に入っています。 

この家の歴史をかなり急ぎ足で記させていただきましたが、もう三つの特徴的な事実があります。1つは、第2次大戦の空襲による火災を免れたことでしょう。西側からの火災の火の手が、二軒西隣りの家に燃え移る寸前に風向きが変わったために石原家も焼失しないで済んだと聞いています。南側の木戸には空襲の焼夷弾による焦げ痕が残っていますし、二軒隣りの方から、西隣りの家が燃えるのを見ていていよいよ危ないかというところで風向きが変わり、助かったというお話を直接お聞きしました。戦災を免れた、それだけでもたいへんなことですが、終戦直前ゆえに当時は大きく取り上げられなかった三河の大地震(マグニチュード7.9と言われる)でも倒壊しませんでした。1959年の伊勢湾台風でも大きな被害を免れてました。考えれば考えるほど、たいへんなことです。

 

 

この家を掃除していると、ふと感じいってしまう瞬間があります。この家はいつもなんと生き生きとしているのだろうか、と。この家は旧東海道から程近い位置に建てられ、当時はとても賑やかな市街地だったようです。岡崎市史には賑やかな頃の写真が載っていました。大八車(人間が引いて荷物を運ぶ台車のようなもの)が並び、商いの雰囲気が漲っているように見えます。それが今、ここはとても静かで穏やかな住宅地になりました。この静かな環境でこの家もとても静まっています。静まっていますが、息をしていないのではありません。とても生き生きと呼吸をしているのです。歳を重ねて老い衰えるのでなく、歳月を重ねることがこの家に力を与えているかのようにも思えます。実際、建築物としての大きな問題も出ていませんし、旧くても古びておらず、かさかさな印象がありません。老いるほどに若々しく、存在感が深まっています。これは、まさに、本来の日本人そのものを見ているかのようです。

 

これらは私の個人的な感覚です。

訪れてくださる皆さまは、いったいこの空間をどのように感じてくださるのでしょうか。

そして、この家はこれからどのような出会いをし、どのような営まれ方をしていくのか、楽しみでなりません。

お陰さまで、とても将来性を感じることができています。

 

ありがとうございます。

 

   大辻 織絵 

 

 

 

★旧石原家住宅(通称石原邸)は、貸し会議室・ギャラリー・催し会場としてお貸ししています。

 施設使用についてはこちらをご覧くださいませ。